まだ名もないキモチ

文学部の大学生が書いていくブログです。興味あることや大学での勉強のこと、将来に向けて等内容は様々です。神戸大学生に向けての記事も書く予定です。

読書語り#7 『国語教育の危機』

これは割と最近出た本なんですよね。共通テストのプレテストが本の中で触れられています。ちなみに一応記述を導入しますってことで話が進んでた頃なので、その辺に関しても一応触れられています。

 

この本を読んだうえでお話ししたいのは、今後の国語教育の在り方ですよね。

実は国語の科目名がだいぶ変わるんです。

<今>

国語総合、国語表現、現代文A、現代文B、古典A、古典B

<新しい国語科>

現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探求

 

なんだかAとかBとか言ってた時よりもだいぶわかりやすくなってます。ちなみに総単位数で言うと少しだけ増えてるので今後は国語の授業が少し増えるかもしれません。

 

特に注目すべきは現代文を論理国語と文学国語に分けたところでしょうね。これまでは評論も文学作品もごちゃ混ぜにしてカリキュラムを組んでたので、論理的な読解力が鍛えられてないとかいう問題が出てきてしまってたんですよね。そこで論理的な文章を読み解く論理国語と現代に受け継がれている文学作品に関する授業である文学国語に分けることで、かなりメリハリはつくんじゃないかなって個人的には考えています。

 

ただこの改革で唯一いまいちなのはやっぱり入試問題との兼ね合いですよね。共通テストは分量が増えた割に問題はいまいちだったりするんですよね。複数の文章を使うと言いつつも実際は片方の文章で読み解ける問題がほとんどだったり、複数の文章を解答要素に使うがゆえに選択肢が簡単すぎたり、逆にどっちつかずの二択が生まれたり。そして結局は入試対策の面で見たら、評論も文学も古典にも今と同じくらいの労力がかかってしまうんですよね。ということは将来を考えた論理的思考力を鍛える場がいまいち確立しないのが少し問題でしょうかね。

 

とにかく国語という教科は生徒がより学びやすく、かつ学ぶ意味のあるものに進化しつつあるのはよくわかりますし、僕はこの流れに大いに賛成しています。将来は僕が教える科目なので今後もその動向をしっかり確認しておきます!

 

今日はこのあともう一本。